「この殴り書き、議事録になってくれ」会社でClaude使えないPMが作ったアプリ

Claude Code

※この記事のスクリーンショットは2026年6月時点のものです。ツールのアップデートで画面が異なる場合があります。

会議のなぐり書きメモを、整った議事録に

会議中、紙やノートに走り書きしたメモ。あるいは、PCにバーッと打ち込んだだけの箇条書き。その場はそれでいいのですが、あとで見返すと「で、結局なにが決まったんだっけ?」と、自分でも解読に時間がかかります。

「この殴り書き、勝手に整った議事録になってくれたらいいのに」。決定事項とToDoがきれいに分かれていて、そのまま共有できる形に——そう思ったこと、ありませんか。ラボ長は何度も思いました。

しかもラボ長の会社は、業務でAIツールを使うのが原則NG。会社のPCでClaudeに「整えて」とお願いする、という王道も使えません。

でも、あきらめなくてよかったんです。その「〜できたらいいのに」は、自分でアプリにして叶えてしまえばいいんです。しかも今は、プログラミングができなくても、AIに言葉で頼むだけでアプリが作れる時代です。

そこでラボ長が作ったのが、なぐり書きメモを「撮るだけ」で整った議事録にするアプリ。頭の中の「あったらいいな」を、そのまま実際に使える道具にしました。どうやるのか、順番に見ていきます。

解決策は「打ち直す」じゃなく「撮るだけ」

最初に思いつくのは「メモをスマホに打ち込んでClaudeに渡す」。でもこれ、一字一句タイプし直すのが面倒で続きません。

ポイントは、Claudeは画像(写真)をそのまま読めること。だったら打ち直す必要はなくて、紙のなぐり書きを写真に撮って渡すだけでいいんです。

この方式のいいところは3つ。

  • 会社のPCもAIも一切触らない(自分のスマホで完結=持ち出しリスクが小さい)
  • 紙のなぐり書きは元々「自分用のメモ」なので、心理的なハードルが低い
  • 打ち直しゼロだから、本当に続く

ラボ長は前回の記事で、メモを貼り付けると議事録に整形してくれる「テキスト版」の道具を作りました。今回はその進化版、写真を撮るだけの「写真版」です。

実際に作って、使ってみた様子

「自然言語で指示しただけ」で、こんなアプリが本当にできました。プログラミングはしていません。まずは完成形から。

完成した「写真議事録アプリ」のトップ画面

使い方はシンプルです。たとえば、こんな手書きの議事メモがあったとします。(これは、今回ChatGPTで適当に生成してもらったPC上の画像です。)

これを、アプリからカメラを立ち上げて、撮って取り込むだけ。

メモを撮影してアプリに取り込んだところ

あとは ”整形する” ボタンを押すだけ。裏側でClaude(AI)が写真の文字を読み取り、議事録の形に直してくれます。

Claudeが写真のメモを読み取って整形している様子

数秒待つと、整った議事録が完成します。

整形が終わって表示された議事録

ちなみにこのアプリ、スマホのホーム画面にインストールもできます。下のアイコンも「こんな雰囲気で」とAIに指示して作ってもらったもの。普通のアプリと同じく、タップ一発で起動します。

ホーム画面に追加したアプリのアイコン(これもAI生成)

コピーすれば、こんなテキストでそのまま使えます。決定事項・ToDo・課題まで、きれいに振り分けられています。

日付:2026-05-20
会議名:定例ミーティング
参加者:田中、佐藤、鈴木、山本、伊藤(欠席:高橋)

決定事項

  • Aプロジェクト:設計完了、実装60%。来週レビュー予定
  • Bプロジェクト:要件定義中。来月キックオフ予定
  • デザイン人手不足への対応として外注を検討(担当:佐藤)
  • 要件の曖昧さへの対応としてヒアリング強化を実施
  • 議事録は本日中に山本が共有

TODO

  • ☐ デザイン外注の見積り取得(担当:佐藤/期限:5/24)
  • ☐ 議事録の共有(担当:山本/期限:本日中)

議事メモ

  • 進捗確認:A=設計完了・実装60%→来週レビュー/B=要件定義中→来月キックオフ
  • 課題と対応:デザイン人手不足→外注検討(佐藤、見積り5/24まで)/要件の曖昧さ→ヒアリング強化
  • 今後の予定:A=6/3レビュー・6/10テスト・6/17リリース/B=要件定義→設計→実装
  • その他:次回MTG 6/3(月)10:00〜@会議室B。議事録は本日中に山本が共有

課題

  • デザインの人手不足→外注検討中
  • 要件の曖昧さ→ヒアリング強化で対応

リスク

(記載なし)

次回会議の予定

日時:6/3(月)10:00〜/場所:会議室B

ここまで、やったことは「自分のアイデアを言葉で伝えた」だけ。「あったらいいな」が、実際に使える道具になる——これがいちばん伝えたかったことです。

このアプリ、どうやって作ったの?

ここからは「自分でも作ってみたい」人向けの裏側です。難しい言葉はなるべく避けて説明します。

エンジニア専業ではないラボ長でも、AIを使うアプリをひとりで作って公開できる時代になりました。使っている部品は4つだけです。

Claude Code自分のPCで開発pushGitHub非公開リポジトリ自動Cloudflare自動で公開

① 作る — Claude Code(自分のPCで)

コードは、AIコーディングツールの Claude Code に相談しながら自分のPCで書きます。「こういう機能がほしい」と伝えると、追加・修正・動作確認まで一緒に進めてくれます。専門用語が分からなくても、対話しながら作れるのが大きいです。

Claude Code自体の呼び出し方は記事1で入れたClaudeのデスクトップアプリから。新しいインストールは要りません。

② 保存する — GitHub(非公開リポジトリ)

書いたコードは GitHub の非公開(Private)の置き場に保存します。変更履歴が残るので「前の状態に戻したい」も安全。中身は自分だけが見られる状態です。

③ 公開する — Cloudflare(自動で公開)

GitHubに保存(push)すると、Cloudflare が自動でアプリを組み立てて公開してくれます。サーバーの面倒な管理は不要。アプリ本体は Cloudflare Workers という場所で動きます。

公開といっても誰でも見られるわけではありません。Cloudflare Access で「許可したメールアドレスの人だけ」がアクセスできる状態にします。自分専用・家族用・社内用にちょうどいい仕組みです。

④ 賢くする — Claude API(AI機能)

「写真を読んで議事録に整形」というAIの部分は、Claude API を呼び出して実現しています。ここで使う鍵(APIキー)は、コードには一切書かず、Cloudflareの Secrets(秘密情報の保管庫)に登録して安全に扱います。

ユーザーブラウザCloudflare Access許可メールのみWorkersNext.jsアプリ本体D1データ保存Claude APIAI機能(写真の読取)APIキーはCloudflareのSecretsに保管

用語、これだけ分かればOK

用語一言でいうと
Cloudflare Access「許可したメールの人だけ入れる」入口の鍵
Workersアプリ本体が動く場所(サーバー役)
Next.jsアプリの画面と裏側をまとめて作る土台
D1Cloudflareのデータベース(データを保存するアプリで使う)
Claude APIAI機能を動かすための呼び出し先

特に大事なのは Cloudflare Access(誰が入れるか)Claude API(鍵とコスト) の2つ。この2つを押さえておけば、安全に・お金の心配も少なく運用できます。

費用の面も心配いりません。GitHubもCloudflareも、個人で使う範囲なら無料です。実際にお金がかかるのは、AIを動かすClaude API(Claude Console)の使用料だけ。しかも使った分だけの少額課金なので、まずは気軽に始められます。

業務で使うときの注意(ここ大事)

便利ですが、会社のメモを扱う以上、次の3つは必ず守ってください。

  • ⚠️ 社外秘・個人情報は撮らない。要点だけ、自分用の言葉に置き換えて。
  • ⚠️ 会社のルールを確認する。「個人スマホで業務メモを撮ること」自体がNGの会社もあります。
  • ⚠️ 会議の録音とは別問題。録音は禁止されているケースが多いので、今回の「自分のなぐり書きを撮る」とは切り分けて考えてください。

あくまで「自分のなぐり書きメモを、自分が読みやすく整える」範囲で使うのが安全です。

まとめ

  • なぐり書きは清書しないと消える。でも打ち直すのは続かない
  • Claudeは写真を読めるので、撮るだけで議事録に整形できる
  • 会社のPCもAIも触らずスマホで完結=持ち出しリスクが小さい
  • 作る部品は4つ(Claude Code / GitHub / Cloudflare / Claude API)。鍵はコードに書かず、入口はメール制限

会社のルールを破らずに、ラクをする。これがラボ長のスタンスです。

ラボ長
ラボ長

「撮るだけ」って地味だけど、結局これが一番続くんだよね。最初はClaudeアプリにそのまま写真を送るだけでも十分。慣れてきたら「こんなアプリあったらいいな」を自分で形にしてみてね。

コメント

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